COLUMN
コラム
キッチンカーと移動販売車の違い
公園やイベント会場で目にするキッチンカーや移動販売車。
イベントなどのアナウンスでは、「移動販売車(キッチンカー)」などと表記されることもあり、「両者はどう違うの?」と明確な違いが分からない方もいるでしょう。
そこで今回は、キッチンカーと移動販売車の違いについてご紹介します。
「キッチンカーと移動販売車で出店の基準は違うの?」といった疑問を持たれている方も、ぜひ参考にしてみてください。
料理ができる設備の有無
移動販売車の種類のひとつとして、キッチンカーが存在します。
しかし、キッチンカーは移動販売に必要な設備のほかに、車内で食品を調理する「キッチン」を備えなければなりません。
キッチンカーに必要な設備の詳細は、営業許可を出す自治体によって異なりますが、主に以下のとおりです。
- 換気扇
- シンクと給排水設備2台
- 給水タンク
- 冷蔵庫
- 扉のある収納棚
- 照明 など
自治体によっては、給水タンクの内容量や照明の明るさ(ルスク数)に条件をつけている場合もあります。
また、運転席とキッチンの境に「間仕切り」の設置を義務としている場合もあり、キッチンカーの設備は一般的な移動販売車よりも多く、準備期間や資金も必要です。
※以下では、調理設備のない移動販売車を「移動販売車」、調理設備のある移動販売車を「キッチンカー」と記載しています。
キッチンカーと移動販売車の例
保健所の許可を得るのに大変なキッチンカーですが、車内で調理したばかりのグルメを提供できるのは大きなメリットです。
できたてのクレープや大学芋、ホットドッグやハンバーガーの販売はキッチンカー。
しかし、りんご飴やパンなどを製造許可のある場所で作り、車内で販売するだけの場合は移動販売車でも販売可能です。
また、移動販売車では生鮮食品や加工食品といった食べ物以外にも、アパレルや雑貨、本なども販売できます。
必要な手続きや資格をチェック
キッチンカーと移動販売車には、必要な手続きや取得するべき資格も異なる場合があります。
以下では必要な許可や届出、取得必須資格について解説します。
食品衛生責任者
「食品衛生責任者」の資格の取得は、キッチンカーの営業で必須であり、移動販売車の場合は販売するものによります。
資格取得と言っても、受講費を払い講習を受けるだけで比較的簡単に取得できます。
移動販売車であっても、野菜や店舗で製造・梱包した商品などを販売したりと、食品を取り扱う場合にも必須です。
「加工しているから」「調理していないから」などに限らず、口にするものを販売する場合には取得する必要があることを覚えておきましょう。
保健所で営業許可を得る
キッチンカーでは、保健所への飲食店営業許可が必須です。
必要な設備は先述したように、都道府県によって異なるためキッチンカーの準備をする前に確認しておく必要があります。
車内で調理を行わず、パンや焼き菓子などの加工食品を販売する場合は、営業許可は不要です。
しかし、調理場所においては製造許可が降りている施設のみで認められています。
そのため、製造許可の下りていない自宅などで製造して、移動販売することはできません。
同時に食品表示法など食品製造に関するルールは、移動販売であっても遵守する必要があります。
保健所や警察書へ届出を出す
移動販売車で加工食品や加工していない野菜、一部の商品を販売する場合は保健所や警察署への届出が必要です。
加工せずに野菜をそのまま販売する場合は、「野菜果物販売業」の届出を保健所に提出します。
ただし、必要事項を記載し提出するだけであり、許可などは不要ですが、届出には先述した「食品衛生責任者」の資格が必要です。
また、一部の中古品販売においても「古物商許可」の届出を警察署へ提出する必要があります。
出店場所への営業許可は必須
キッチンカー、移動販売車ともに必須なのは、出店希望場所の営業許可です。
イベントやフェスの場合、あらかじめキッチンカーや移動販売車が来ることを想定してるため、参加が決定すれば営業許可についてはあまり気にする必要はありません。
しかし、オフィス街のビルの敷地内や住宅街への出店においては、土地の所有者への営業許可は必須です。
また、私有地でない公共の道路上では警察署からの許可、公園では管轄する行政の許可が必要です。
キッチンカーを呼ぶ場合には
今回は、キッチンカーと移動販売車の違いについてご紹介しました。
キッチンカーは移動販売車の一部であり、販売設備のほかに調理設備が整った車です。
調理をして提供するため、衛生管理については販売のみよりも厳しく、各自治体の基準に沿った営業許可を取得しなければなりません。
そのため、単なる移動販売車よりも資格や許可の取得にはアンテナを貼る必要があります。
キッチンカーを呼ぶ際は、「食品衛生責任者」の資格と保健所へ「飲食店営業許可」を得ているかを必ずチェックすることが大切です。
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